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【小説紹介】「虚実妖怪百物語」

2024/01/11

 どうも!Wingdingsです!今回も小説紹介となります!

虚実妖怪百物語とは?

虚実妖怪百物語うそまことようかいひゃくものがたり
角川より出版された京極夏彦氏の作品です。


あの本が分厚い事で有名な京極夏彦氏の作品のため、めっちゃ長い物語となっております。
なんとあの「鉄鼠の檻」と肩を並べる程!()

ホラーとか妖怪小説というよりは…      妖怪コメディ小説…?
そして、フィクション寄りのノンフィクション的な感じです()

あらすじと感想

虚実妖怪百物語「序」

表紙は妖怪「朧車」、小説中では新幹線のレールを走るというものすごい事をやってのけます。

あらすじ
シリアの砂漠に現れた男。
旧日本兵らしき軍服に、五芒星が染め付けられた白手袋。
その男は、古今東西の呪術と魔術を極めた魔人・加藤保憲に、よく似ているように見えた――。

妖怪専門誌『怪』の編集長と共に水木プロを訪れたアルバイトの榎木津平太郎は、水木しげる氏の叫びを聞いた。
妖怪や目に見えないモノが、ニッポンから消えている!」と。
だがその言葉とは逆に、妖怪が次々と姿を現し、日本は大混乱に陥ってゆく。
窮地に立たされた榎木津平太郎、荒俣宏、京極夏彦らの命運は!?
驚異の実名小説、ここに開幕!         -KADOKAWA HPより

なんとこの小説、様々な小説家妖怪研究家が実名でバンバン登場してきます。
黒い表紙の本愛好家としては堪らないなぁ(アホ)

しかも冒頭でいきなり帝都物語より加藤保憲が登場します。軍服カッコいいけど顎長過ぎだろ!

その後は、誰もが知っているであろう水木しげる大先生も!(ちなみに「河童の三平」が一番好きな作品です)

さて、ここから日本がドンドンぶっ壊れて行きます☆

ライターの村上健司氏レオ☆若葉鸚鵡石の調査に行った先で、石と同時に出現する童子(?)に出会ったり…

妖怪が消えたという謎の絵巻が出てきたり…

先程言った通り、朧車が新幹線止めたり、様々な妖怪が現代に侵食してきたり…

果てや、人質に取られた『』次期編集長が犯人と一緒に射殺されたりと…

やはり「」だけに序盤の為、最初の頃は読みにくかったり理解しにくかったりしますが、段々と妖怪ワールドへと引き込まれていきます

虚実妖怪百物語「破」

表紙はあの天の法則を學ぶ人造人間(ゲフンゲフン)、、ロボットの「學天則」です。帝都物語では掘削機付けて登場してたやつです。

あらすじ
富士の樹海。魔人・加藤保憲の前に、ある政治家が跪いていた。
太古の魔物が憑依したその政治家に、加藤は言い放った。
この国を滅ぼす、と――。

妖怪が出現し騒動が頻発すると、政府は妖怪を諸悪の根源と決めつけ、駆逐に乗り出す。
世相は殺伐とし民衆は暴力的となり、相互監視が始まった。
この異常事態の原因究明のため、『怪』関係者は居酒屋に集い、信州山中で村上健司らが入手した<呼ぶ子>を出現させる謎の石の秘密を解き明かそうとするが……。      -KADOKAWA HPより

さて、冒頭ではまたもや加藤保憲が登場。まーた帝都を潰そうと企んでおります。
そして、その傍らには「妖怪大戦争」より古代バビロニアの妖怪ダイモンが、、

この二人(?)の所為か、日本はドンドン崩壊へと傾いていきます。
政府はその理由を「妖怪」とし、妖怪を駆逐。そして妖怪馬鹿達(妖怪に関わる人々)をも異端扱いし、魔女狩りならぬ、妖怪馬鹿狩りを行っていきます。

そして帝都物語の作者の荒俣宏先生は、こんな世の中の為、仲間を集めてマンションに引き篭もり、そこで呼ぶ子を出現させる石の研究を行います。

しかし、暴徒と化した国民によりマンションは襲われ、立て篭もる事に、、

そんな中、「未完少女ラヴクラフト」の作者、黒史郎の頭の上に、我らがクトゥルフ様が顕現したり…

ダイモンが取り憑いた東京都知事の正体を突き止めた、「新耳袋」の作者である木原勝浩氏が特攻したり…    (新耳袋全巻読みました。安らかに眠って下さい… ※まだ生きてます)

荒俣先生が、付喪神化した學天則、通称「ジャイアント學天則」を操り、脱出したりと…

もう日本もめっちゃくっちゃ。話もめっちゃくっちゃになりかけてきます。

しかし、妖怪馬鹿の馬鹿さや、奇想天外なストーリー展開などが面白くて、ついドンドン読み進めてしまいます。
呼ぶ子の石が、妖怪を呼び出せる石と判明してから妖怪を呼び出したり死んだ人間を呼び出したりと、、  内容ははちゃめちゃですが、もう面白いと言うより楽しかったです。

虚実妖怪百物語「急」

なんと「」の表紙はみんな大好きクトゥルフ様ですね。この時点では黒史郎さんの頭の上に載ってます()

あらすじ
妖怪研究施設での大騒動を境に、妖怪は鳴りを潜めていた。
政府は妖怪殲滅を宣言すると、不可解な政策を次々と発表。
国民は猜疑心と攻撃性に包まれてゆく。

妖怪関係者は迫害を逃れて富士山麓に避難するが、荒俣宏や榎木津平太郎は、政府の特殊部隊によって捕縛されてしまう。
平太郎らは、妖怪出現の謎、そして日本を殺伐とさせる真の要因を突き止められるか?

加藤保憲、妖怪、軍隊、妖怪関係者が入り乱れた、かつてない“大戦争”が始まる!      -KADOKAWA HPより

冒頭では、やはり加藤保憲と、ダイモンが登場します。前回、東京都知事に取り憑いていたダイモンは、今度は与党幹事長に取り憑きます。これによって、政府はほぼ役に立たず…

荒俣先生や『』などの編集者、村上健司、平太郎らは政府の特殊施設に収容されますが、
黒史郎氏らとクトゥルフ様のおかげで脱出。妖怪関係者が集まる富士山麓へと向かいます。

そこには大量の妖怪関係者達が!実在する人物達が沢山出てくるので妖怪好きやホラー・オカルト・怪談好きから見ると感動ものです。

(ちなみに登場人物では、夢枕獏さんと伊藤淳二さん、東雅夫さん辺りが出てきて感動しました)

その後、呼び子を出現させる石の正体や、妖怪が消えた巻物の正体なども判明し、妖怪馬鹿達は、政府と黒幕に"妖怪大戦争"を始めます。

妖怪などを呼び出す「反剋石」を使い、自衛隊を撹乱させますが…  ここで登場する妖怪が面白い!
普通(?)の妖怪は当たり前、なんと「うしおととら」よりとらも登場。果てや貞子まで…
絶対妖怪じゃないだろ!ってやつも多数出てきます()

そして、日本から余裕を吸い取っていたダイモンと戦う妖怪妖怪馬鹿達。

ダイモンと懸命に戦う妖怪達は、妖怪馬鹿達の「妖怪は馬鹿だッ!」という言葉で目が覚め馬鹿をし始めます。

ここが最高の山場でしょう。妖怪妖怪馬鹿達が敵の前で、馬鹿をします()
ふざけにふざけ、騒ぎに騒ぎます。その描写が本当に馬鹿で面白い!

騒ぎの中、平太郎はダイモンの弱点を突き、ダイモンは敗れます。
ダイモンが吸い取っていた余裕が一気に解放され、日本全体が楽観的というかお気楽状態に。

そんな中で荒俣先生は真の黒幕、加藤保憲の存在に気付きます。

荒俣先生は、反剋石で加藤保憲を呼び出し対峙します。そして戦いに決着が…?

最後はかなり意外な終わり方でしたねぇ…    しかし綺麗にスッと終わって読了感が半端無かったです(長いのもあるかも…?)

まとめ

かなり長い作品ですが、途中から世界へ引き込まれ段々とスッと読めるようになります。

終わり方が綺麗なので、読了感がすごいと感じると同時に、「ああ、自分も妖怪馬鹿の中に混ざりたいな」って思うようになってると思います()

妖怪好きの為のファンブックみたいな感じなので是非読んでみて下さい!